オリジナルレザーの経過報告①

2020/7/11 靴屋の思い

靴屋です。 

鹿児島県でコロナのクラスター発生し、革を探しに行く予定でしたが、出るに出られない状況になりました。

オリジナルレザー一択に絞られて、ある意味スッキリしております。

先月オリジナルレザーの試作一発目が入りましたが、かなり柔らかな仕上がりでしたが、風合いはオイルを大目にしたことにより少し渋めの革になり、元気いっぱいのトイアーノに比べて深みのあるカラーになりました。

せっかくなので、トイアーノと同じものを作るというより、嬉しい誤算に期待しつつヒラキヒミ。らしい革の開発を進めております。

今回は、コンビなめしで依頼しました。

靴の9割以上は、クロム鞣しの革が使われています。

クロム鞣しの革は形状を記憶する特性があり、動きを伴う革製品には非常に向いているからです。

タンニン鞣しが向いていないという事ではありません。

実際にトイアーノはタンニン鞣しですし、じっくり時間をかけて作られたタンニン鞣しの経年変化はかなりのものです。

今回実際に仕上がってきた革を見て思わずタンニン鞣しかと思いました。

ぱっと出されて、タンニンかクロムかコンビかの区別ができない恥ずかしさは、いかに雰囲気でやってきたかの現れ。革の知識を深めて行かなければなりません。

 

クロムのぬるっとした雰囲気の黒い靴をかっこいいと感じるように、タンニンの生物感をありありと見せつけるのがいいように、タンニンかクロムかというのは、作り手からすると売りになるものでは無い様な気がします。

経年変化でいうとクロム鞣しの変化を見ることができていないので比較できませんが、クロムエクセルはコンビですので、それと比較すると、先ほど述べた通りクロムの形状記憶という特性が無い分タンニン鞣しの靴は、クタクタになる印象を受けます。

それは、人が老いていく様を見ているようで、枯れていく様はなおさら愛着が湧いてきます。

コンビ鞣しの靴は、傷を増やしそれが勲章と化し、最後の最後まで兵士として役割を全うする、そんな雰囲気を受けます。ボロボロにながらも豪快に生きた証をそこに残しつつ絶える様に、敬意を抱かせてくれます。

終わり方に違いはあれ、最後を看取られる靴を作っていきたいと新たに決意しました。

コロナの影響で、中々思うようにいきませんが、オリジナルの革の経過を綴ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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